詐害的(濫用的)な会社分割と詐害行為取消権の法律情報です。額田・井口法律事務所(ぬかだ・いぐち法律事務所)

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詐害的(濫用的)な会社分割と会社法の改正

LR5 2015.2.23

一部で会社分割を利用した債務逃れによる再建が可能であると喧伝されていました。すなわち、優良事業部門を会社分割によって新設会社や承継会社へ移し、従前の会社に不良事業部門の負債を残す形で、再建を図ろうとするものです(「抜け殻分割」と呼ばれます)。従前の会社に残された債権者からすると悪質な債務逃れとみられるわけで、このような会社分割に対し債権者として打つ手はないのか模索されていました。

この問題について、最高裁は平成24年10月12日の判決で、上記のような詐害的(濫用的)な会社分割に対し、従前の会社に残された債権者は会社分割を詐害行為として取り消すことができるという判断を示しました。

さらに、2014年(平成26年)の会社法の改正によって、会社分割をした会社が、承継されない債務の債権者を害することを知って(「害意」)分割した場合には、当該債権者は新設会社・承継会社に対して、承継した財産の価額を限度として承継されなかった債務の履行を請求できることとされました。

ただし、この請求は、当該債権者が「分割会社が当該債権者を害することを知って分割したこと」を知ってから2年以内に請求又は請求の予告をしないと、請求できなくなります。

以上






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