法律情報
マイナンバー制度の開始が迫っています
マイナンバー制度(ナンバー制度とか、番号制度とも呼ばれます。この制度を定めた法律の正式名称は「行政手続における個人を識別するための番号の利用等に関する法律」といいます)の利用が平成28年1月から開始されます。
◇マイナンバー制度とは?
個人/法人に、一人/一法人にそれぞれ一つ番号(個人番号/法人番号)を付して、社会保障・税金・災害対策の分野で、個人/法人の情報の管理・検索・連携を図る制度です。わかりやすくいえば、行政において、個人番号/法人番号をもとに、個人/法人の情報の相互通知(情報の突合)を図ろうとするものです。
現在のところ、番号の利用は、社会保障・税金・災害対策の3分野およびこれらに類する事務(公営住宅や奨学金など)に限定されており、また、情報の一元管理をするものではありません。
(*) 基礎年金番号との連結は当面見送られ、他方2018年からは預金口座にも適用されることになりました。
◇個人番号
個人番号(マイナンバー)は、12桁の数字で、住民票を有するすべての個人(日本国民、外国人)に指定されます。市区町村が指定し、各人が自由に選ぶことはできません。
個人番号は一生使うもので、原則として、変更されません(個人番号が漏えいして不正使用のおそれがある場合には変更される)。
各人の個人番号は、平成27年10月ころから、順次、『通知カード』を送付することによって通知されます(『通知カード』は、住民票上の住所あてに、世帯分まとめて簡易書留で送られる)。
◇個人番号の提供
年金や医療保険、雇用保険、福祉の資格取得や給付、税金の申告のなどで、申請書類等に個人番号の記載が必要になります。本人確認が必要な場面では、通知カードのほか、運転免許証等の提示を求められます(なお、後記の『個人番号カード』なら、それだけを提示すればよく、運転免許証等による本人確認は不要)。
◇『個人番号カード』
個人番号、住所、氏名、生年月日、性別が表示された顔写真つきのカードで、ICチップが組み込まれています。電子申請のための電子証明書にもなります。
『個人番号カード』は希望者のみに交付され(申請書が『通知カード』といっしょに送付される)、交付を受けたときは、『通知カード』は返納します。
◇事業者の対応
民間事業者は、社会保険、源泉徴収業務などにおいて、従業員、顧客、株主の個人番号を取扱うことになり、従業員等からその個人番号を提供してもらう(知らせてもらう)ことになります。番号が通知される平成27年10月から取扱いが可能になります。
» 個人番号を取得するケース(例)
- 従業員の健康保険、厚生年金の手続、給与の源泉徴収票の作成
- 講師謝礼や原稿料支払いの源泉徴収
- 証券会社や保険会社で、配当金・保険金等の支払調書の作成
» 個人番号の取得上の注意点
- 利用目的を明示する(例「源泉徴収票作成のため」)
- 本人確認をする(通知カードor番号付住民票+運転免許証orパスポート または 個人番号カード)
» その他の留意点
- 個人番号を社員番号や顧客管理番号に使うことはできない
- 法律で認められた場合のほかは、利用、提供の要求、収集をしてはならない
- 事業者は個人番号や特定個人情報につき安全管理措置をとらなければならない
◇法人番号
法人番号とは、法人等(登記した法人、国の機関、地方公共団体等)に付される13桁の数字で、国税庁長官が指定します(国税庁のサイトで公表されます)。
平成27年10月から、順次、通知されます。
法人番号は、個人番号とは異なり、だれでも自由に利用可能です。