離婚の法的問題についてのQ&Aです。額田・井口法律事務所(ぬかだ・いぐち法律事務所)

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■離婚Q&A■

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離婚Q&A


離婚Q&A一覧

Q1  離婚の話し合いがまとまらないが・・・

Q2  裁判で離婚が認められる場合は、どのような場合か?

Q3  性格の不一致が離婚原因になるか?

Q4  別居5年で離婚が認められると聞いたが、本当か?

Q5  芸能人の離婚で「慰謝料1億円」と聞いたが、私も1億円もらえるか?

Q6  財産分与とは?

Q7  財産分与の対象となる財産は? その範囲を確定する基準時点は?

Q8  財産分与の割合は?

Q9  相手に離婚の原因があるから財産分与はしなくてもよいのでは?

Q10 協議離婚した後から財産分与を請求できるか?

Q11 「婚姻費用の分担」とは?

Q12 子どもの親権者はどうやって決めるのか?

Q13 離婚後も子どもの養育費を払ってもらえるか?

Q14 「年金分割」とは?


離婚Q&A

Q1 離婚の話し合いがまとまらないが・・・

A 離婚の話し合い(協議離婚)がまとまらなければ、離婚を求める裁判を起こすほかありませんが(裁判離婚)、裁判の前に、まず、離婚調停をする必要があります。

Q2 裁判で離婚が認められる場合は、どのような場合か?

A 裁判で離婚が認められる場合は、次の場合です。

① 相手方に不貞な行為があったとき

② 相手方から悪意で遺棄されたとき

③ 相手方の生死が3年以上明らかでないとき

④ 相手方が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき

⑤ その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき

Q3 性格の不一致が離婚原因になるか?

A 協議離婚であれば話し合いさえまとまれば離婚できます。
 裁判離婚では、性格の不一致の結果、夫婦関係が完全に破綻して回復の見込みがないと判断されることが必要です。

Q4 別居5年で離婚が認められると聞いたが、本当か?

A 単純に「別居5年」で離婚が認められるわけではありません。夫婦関係が完全に破綻して回復の見込みがないなど、「婚姻を継続しがたい重大な事由」があると認められる必要があります。「破綻」「回復の見込みがない」、さらには「婚姻を継続しがたい事由」という点は、夫婦の婚姻期間、別居期間、未成熟子の有無、離婚に至る原因がどちらにあるのか、など総合的に判断されますので、別居期間だけで一律に決まるものではありません。
 なお、離婚に至る原因がある方(有責配偶者)が離婚を求める場合は、そうでない場合に比べ長い別居期間が必要になるでしょう。

Q5 芸能人の離婚で「慰謝料1億円」と聞いたが、私も1億円もらえるか?

A 慰謝料とは、婚姻関係が破綻したことに対する償いで、原因を作った方が相手方に支払うものです。その金額は原因の内容、程度、婚姻期間、双方の経済力などを総合的に考慮して決定されるものです。裁判例では200〜300万円というケースが多く、1000万円を超えるケースはまれだと思われます。
 協議離婚では、相手に納得してもらうために金額が高まることはあります。
 テレビや週刊誌で高額な「慰謝料」と喧伝されているものは、協議離婚や調停で相手の同意を得るための条件か、財産分与である場合でしょう。

Q6 財産分与とは?

A 夫婦が婚姻中に協力して形成した財産を清算する制度です。例えば、夫が会社に勤め、妻が専業主婦として家庭を守ってきたケースで、夫の収入によって自宅の土地建物を取得したり預金した場合、それが夫名義でも妻の貢献があるので、その貢献分を妻に「分与」するというものです。

Q7 財産分与の対象となる財産は? その範囲を確定する基準時点は?

A 夫婦が婚姻して協力関係にある間に形成された財産(「共有財産」)は、名義のいかんに係わらず、財産分与の対象になります。逆に、婚姻前から持っていた財産や、親から相続した財産(これらは「特有財産」という)は対象にはなりません。
 範囲を確定する基準時点は、経済的な協力関係がなくなった時点ですから、基本的には別居を開始した時点です。

Q8 財産分与の割合は?

A 基本的には2分1です(「2分の1ルール」)。
 なお、これは単純に夫(妻)の財産の半分を分け与えるといことではなく、双方の名義の財産を合算して半分の額を算出し、その額と各自の名義の財産の額との「差額」を清算するということです(自己名義の財産の多い方から少ない方へ上記の「差額」を「分与」する)。
 【例】夫名義の財産1500万円 妻名義の財産500万円
    (1500万円+500万円)×1/2=1000万円
    ⇒夫から妻へ500万円分与

Q9 相手に離婚の原因があるから財産分与はしなくてもよいのでは?

A 財産分与は夫婦が協力関係にある間に形成された財産の清算であって、離婚の原因がどちらにあるのかという問題とは別です。相手方が有責であるから分与しなくてもよい、ということにはなりません。

Q10 協議離婚した後から財産分与を請求できるか?

A 財産分与の請求ができるのは、離婚をしてから2年以内です。

Q11 「婚姻費用の分担」とは?

A 別居中に、夫婦の一方の収入が生活に十分でない場合に、収入の多い方が生活費の一部に充てるため金銭の支払をすることです。話し合いでまとまらなければ家庭裁判所の審判(通常は、その前に調停をする)で決められます。家庭裁判所では、双方の収入、子どもの人数・年齢などから一定の算出方法を定めています。

Q12 子どもの親権者はどうやって決めるのか?

A 未成年の子どもは両親が親権を持ちますが、両親が離婚した場合は一方の親だけが親権者となります。協議離婚では話し合いで決めます(離婚届に親権者の欄があり、親権者を決めていないと離婚届は受理されない)。調停での離婚では調停(双方の話し合い)で親権者も決めます。裁判離婚では裁判所が子の福祉の観点から決定します。

Q13 離婚後も子どもの養育費を払ってもらえるか?

A 払ってもらえます。離婚をしても親であることに変わりはないので、両親が子どもの生活費を分担することになります。子どもの養育をしている親が養育していない方の親に対して分担額を請求することができます。分担割合は基本的には収入に応じて決まりますが、実際上は、家庭裁判所が双方の収入、子ども数・年齢によって算出方法を定めています。

Q14 「年金分割」とは?

A サラリーマンや公務員は、基礎年金の他に、厚生年金や共済年金が上乗せされますが、離婚にあたり、厚生年金や共済年金を受け取る権利を、夫婦の他方に分割する制度が、年金分割です。
 第3号被保険者(厚生年金や共済年金の加入者に扶養されている配偶者)の場合、平成20年4月1日以降の分については、当然に、婚姻期間中に該当する年金の1/2が分割されますので、合意は不要ですが、年金事務所に請求する必要がありますので、離婚後2年以内に、年金事務所に請求してください。
 第3号被保険者のそれ以前の分や、第3号被保険者でない場合(分割を受ける人も厚生年金や共済年金に加入している場合)は、双方の合意が必要です。合意ができない場合は、裁判所の審判を求めることができ、原則、1/2の分割の審判がなされます。裁判離婚の場合は、裁判所が決定します。
 なお、分割の対象は報酬比例部分(給与比例部分及び職域部分)だけで、分割割合が1/2と定められても夫の年金受給額の1/2が妻に支給されるわけではありません。

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